コピーバンドの注意点~著作権のアレコレ~

コピーバンドでライブをするのは著作権侵害か?音楽著作権の基礎を知っておこう

コピーバンドといえば、ほかのアーティストの楽曲を使って活動するバンドですよね。あの曲がやりたい、この曲がやりたいとなると気になるのが権利周りのお話。 

今回はコピーバンドで活動する際の著作権などについてお話します。

コピーバンドは違法なの?

著作権とは?
著作権とは?

コピーバンドで演奏する楽曲は、ほかのアーティストの楽曲です。曲には著作権があるので、コピーバンドでその楽曲を使うのは法的に大丈夫なのでしょうか?

そもそも著作権って?

著作権とは、著作物(音楽や小説や映画など)を作った人に与えられる権利で、自分の作ったものを勝手に使われるのを防ぐためにあります。 

他の人の著作物を勝手に使うと法律違反にあたりますので、著作権を持つ人に許可をしっかりとる必要があります。 

勿論バンド内で練習するとか、友達の誕生会で演奏する程度には許可を取る必要がありませんのでご安心ください。練習して、ライブなどで不特定多数の人に発表する際にはきちんと許可を取らなければならないのです。

【著作権について詳しくは】
音楽と著作権について~著作権の種類と内容~

許可を取れば大丈夫

では不特定多数が聞く場合はどうすればいいのでしょうか?許可を出すかどうかは権利元の判断にはなりますが、他人の楽曲を使うのは許可を取れば大丈夫です。では誰に許可を取るのでしょうか?本人にでしょうか?

 皆さんも聞いたことがあると思いますが、音楽の著作権の多くを管理しているのが、JASRAC(ジャスラック)という権利団体です。 

因みに全ての音楽の著作権をJASRACが管理しているわけではないので、JASRACが管理していない楽曲は本人もしくはほかの管理団体にしっかりと許可を取りましょう!

お金が発生しなければ大丈夫

不特定多数が聞く場合でも許可が不要な例外があります。それは、

  1. 営利目的ではない
  2. ライブが無料
  3. ライブの報酬を受け取らない(無報酬)

この3つの条件を全て満たせば許可を取らなくても大丈夫なのです。

ただし、ライブハウスを借りて行う場合は、バンド側は大丈夫でもライブハウス側がアウトになる場合があったりします。これは、ライブハウスがバンドに著作物を利用させてライブハウスの利用料で儲けている、という形になるからです。

お金が発生しない場合でも、商店街の客寄せイベントで演奏するなどの場合も、客引きという営利行為とみなされアウトの場合もありますので、許可を取らない場合はしっかりと状況を確認しておかないと思いもよらない落とし穴にはまるかもしれませんので注意です。

ちなみに路上ライブの場合は微妙みたいです。路上ライブも非営利+無料+無報酬なのですが、投げ銭が報酬に当たるかどうかの明確な取り決めがないらしくグレーゾーンみたいです。保証はできませんので、安全に路上ライブをしたい場合は投げ銭をなしにする、念のために権利元に確認するほうがいいと思います

どうやって許可を取るの?

先ほども書いた通り、使用料を払って許可を取ったり、条件次第ではコピーバンドでもライブは大丈夫です。 

実際に許可を取るときにはどういう段取りになるのでしょうか?

ライブハウスの場合

ライブハウスで演奏する場合は不特定多数に演奏しお金も発生してるので許可を取る必要があります。ライブのたびに申請するとなると少し手間ですよね。 

ですがご安心を。ライブハウスがJASRACと包括契約を結んでいる場合、ライブハウス側が利用報告と使用料を代わりに払ってくれる場合があります。一般的なライブハウスだと包括契約を結んでいることが多いです。

ただ小さなライブハウスで包括契約を結んでいない場合もありますし、JASRAC管理外の曲の場合もあるので、事前にライブハウスにはセットリストを渡しておきましょう!

ライブハウス以外の場合

飲食店や地域のイベントなどで演奏する場合、包括契約を結んでいない場合が多いので自分で許可を取る必要があります。 

JASRACの場合はホームページの申請フォームから簡単に申請することができます。 

JASRAC以外の場合、すんなりとやり取りできるかわからないので余裕をもって申請しておきましょう!

ほかに気を付けなければならないことは?

最後に著作権ことで気を付けることをお話ししましょう!

楽譜のコピーはアウト!

バンド内で練習する場合いちいち許可を取る必要がありません。 

ですが練習の際には気を付けることが1つあります。楽譜を買って練習すると思うのですが、誰かが楽譜を1つ買ってメンバー分コピーするというのはアウトです。 

例えば楽譜を買った人が練習用にコピーして持ち歩いたり、スキャンしてタブレットに入れたりするのはOKです。これは私的利用に限っては著作権違反の例外に当たるからです(スキャンしたものをみんなが見れるネットにアップするのは、メモ的に使ってもアウトです)。

どんなに親しかろうと、バンドメンバーにコピーを配ることは私的利用の範囲を超えます。楽譜は必ずメンバーそれぞれが買うようにしましょう

動画をアップロードするときはご注意!

最近は歌ってみた、などでコピーバンドや個人の歌動画がアップロードされている場合がありますよね。もちろんこれも不特定多数が視聴するとなるので許可が必要です。

ですがこれもライブハウスの場合と同じく、SNSがJASRACと包括契約を結んでいる場合があります。YouTubeやニコニコ動画などは包括契約を結んでいたりします。どのSNSが包括契約を結んでいるかはJASRACのサイト(https://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html)で確認ができます。

有名どころだと、TwitterやFacebookやInstagramなどは包括契約を結んでいないので、こういう場合は直接そのSNSにはアップロードせずに、YouTubeにアップロードしてリンクをSNSに張るなどの工夫をしましょう!

JASRAC管理外の楽曲は個別に確認してくださいね。

ルールを守って楽しく演奏!

いかがでしたでしょうか。今回はコピーバンドと著作権についてお話ししました。自分の身を守るためにもそうですし、著作権は他の人の著作物に対する正当な権利なので、侵害することがないようにしなければならいですよね。

趣味や始めたてのバンドなどではオリジナル楽曲よりもコピー曲のほうが敷居が低くコピーバンドで活動している人も多くいると思います。 

ほかの人の著作物を扱うわけですから、いろいろ気を付けなければならないことが多くてめんどくさそう、と思うかもしれませんがこの記事で書いたことに気を付ければ余計なトラブルに巻き込まれるなんてことはないと思いますので、是非参考にしてください!

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