音楽業界におけるデジタルトランスフォーメーション

音楽業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の可能性

近年デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉がビジネス界隈で話題になり経済産業省もレポートやガイドラインを出すなど話題にとどまらず国がかかえる課題としても注目が集まっています。
このDXとは何か?音楽業界においてDXは何を実現するのかについて書いてみました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)ってなに?

Digital Transformationの略で英語ではtransをXと省略することがあるため、
Xformationとなり、DXと略すことになります。

DXは2004年にスウェーデンの大学教授であるエリック・ストルターマンが定義しました。

ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる

ウメオ大学教授 エリック・ストルターマン

日本では経済産業省が再定義し
日本におけるDXとは

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

経済産業省『DX推進ガイドライン

定義だけ読む少し複雑かもしれませんが、僕はデジタル化の奥にあるものと考えています。

ただがむしゃらにデジタル化をすればDXに繋がるかというとそれは、DXが生み出す社会としては失敗すると思います。

デジタル化により、何をどう変化させるか例をあげて考えていきましょう。

DXの大事なステップ。まずはデジタル化

電子チケットの導入
電子チケットで受付する様子

DXはデジタル化した先にある情報を活用します。そのためデジタル化からおさらいしていきます。
楽曲、ライブ、チケット、ファンクラブなど音楽業界に関わるものをデジタル化してDXを成功させましょう。

そんな中、本記事ではチケットのデジタル化から探っていきます。

デジタルチケットの記事については
ライブチケットをデジタル化しよう!-便利なデジタルチケットの実態-

第一段階 デジタイゼーション(Digitization)

電子チケット(オンラインチケット)の導入

従来の紙のチケットから電子チケットを導入します。
まずは単純に紙に印刷することが無くなります、そして作業効率も向上したのではないでしょうか?
再入場時の半券管理やチケット紛失などユーザーとしてもスタッフとしてもイレギュラーが激減します。
また、座席管理や顧客管理などCRMとしても活躍します。

ここまでのデジタル化はデジタイゼーションという大事な最初の段階になります。電子チケット自体はこれからカタチや仕組みをどんどん変えてくると思いますが、これを始めない限りDXはあり得ません。

第二段階 デジタライゼーション(Digitalization)

付随する機能の活用

導入した電子チケットにより、どこのライブハウスや会場でも手軽に決済にクレジットカードを導入することができるようになり現金の取り扱いが激減します。
そしてアプリやSNSやメールを通して直接会わなくてもチケットの受け渡しが可能になります。
興味があるバンドの情報やイベントカレンダーなど様々な情報が行き交います。

ここまでのデジタル化をデジタライぜーションという第二段階になります。

デジタライザーションまでの流れだけでも、すごくチケットを使用する側にも管理する側にもメリットがある事がわかります。

しかし、国内でチケットのデジタル化はこの段階にも辿り着けていないケースがたくさんあるように思います。

最終段階 デジタルトランスフォーメーション(DX)

様々なサービスと連携し新しい社会を創出する
様々なサービスと連携し新しい社会を創出する

かなり小さな視点でのDXになっているため専門家の方からツッコミが入る可能性もありますが。
DXはチケットのデジタル化を進めたことで、次の段階どういったデータを活用できるかが始まりとなります。

活用できるデータ

  • 誰が(生年月日、性別、興味など)
  • いつ(購入した日時、使用した日時、転売した日時)
  • どこで(会場、座席)
  • 誰と(または一人で)
  • なにを(アーティスト、イベント)
  • いくらで(固定料金、変動料金、転売料金)
  • 何時間(入場時間、退場時間)
  • どうしたか(来たか、来なかったか、転売したか)

連携できるサービス

  • SpotifyやAmazonやYouTubeなど
  • ファンクラブなどの会員サービス
  • ダイナミック・プライシング
  • ECサイトやアーティストサイト
  • NFTを絡めた価値や転売
  • クラウドファンディング

データとサービスが出揃ったことで、どんな可能性があるかを考えます。

実現できるだろう仕組み

好きなアーティストを視聴しているとチケットの購入ができる

SpotifyやAmazonやYouTubeなどと連携することで、リスナーやオーディエンスが視聴するタイミングでライブ日程のお知らせとともにチケットの販売が可能になります。ただ悪戯にチケット情報を表示するのではなく、興味を持っているかなどデータを活用し必要な人に表示することが可能になります。

今まで以上にファン想いな体験を

これまでもあったとは思いますが、ファンのチケット選考にAIとデータを活用することができて、偏った選考にならないよう配慮が可能になります。

ファン同士やその他のお客さんや舞台スタッフと連携し、ライブ当日の座席の位置などを把握できるため全員で電子チケットのアプリを立ち上げてスマートフォンを掲げることで巨大液晶画面を作り出し、ファンからアーティストへ動画やメッセージなどを送るサプライズも可能になるのではないでしょうか。

価格変動型チケット

電子チケットによりダイナミック・プライシングの導入も簡易になります。
ダイナミック・プライシングはアーティストの人気度や会場の座席や天候や時間帯など様々な条件に伴い価格が変動していく仕組みで、活用できるデータをもとに条件を設定できます。

価値や転売

チケットにNFTなどブロックチェーンを活用することで、偽造ができない仕組みを構築しデジタル上でも価値の変動や転売することが可能になります。
デジタルになってからこれまで終わったチケットに価値はなかったのですが、これからは価値を残す可能性もあるかもしれません。
※現在のところ日本ではチケットの転売は規制があります。

付加価値をつける

動画付きチケットや楽曲付きチケットなど電子チケットにすることで新しい価値を新しいカタチで付けることも可能になります。

ライブレビュー

チケットに対してレビュー権を与える事が可能になり、行ってないのにレビューを書き嫌がらせを受ける可能性が減ることと、レビューの信頼性が高まることで、サービスやコンテンツの向上にも繋がります。

サイトでチケットを販売可能に

クラウドファンディングとの連携やECサイトやアーティストのホームページなどで簡易にチケットの販売が可能になります。クレジットカード決済など最新の決済システムにも対応できるようになり、予約販売やファン優先や割引制度などの条件をつけるなど新しい販売方法も始められます。

2025年の崖

2018年に発表された経済産業省のDXレポートによると日本は『2025年の崖』という経済的な危機にさらされている状況です。未だWindowsXPやVistaなどで動いているシステムや古いプログラミング言語で書かれたシステムなどもありアップデートも難しく、2025年には経済損失12兆円というデータも出ています。
コロナ禍で少し進んだかもしれませんが、まだまだ音楽業界もさまざまなアップデートを必要としています。

新しい未来はみんなで作り出す

最後に少し不安な要素があることも書きましたが、デジタル化の先にある社会はすごくワクワクしないでしょうか?僕はワクワクします。たくさんのことが繋がり便利になり時代が前に進むイメージが湧いてきます。

DXが作り出す未来について、ワクワクしたい方は音楽業界の未来について書いている記事などもありますのでぜひ読んでみてください。

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