音域を広げるコツ。高音が自然に出せるようになるボイストレーニング方法

音域を広げるコツ。高音が自然に出せるようになるボイストレーニング方法

思いっきり自分の好きな歌を歌えるカラオケ。

カラオケはストレス発散にもなりますし、定期的に通いたくなりますよね。

ですが、「歌いたい曲なのに音が高くてうまく歌えない…」
「カラオケやスナックでかっこよく高音を歌い上げたいのに…」
と様々な悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

今回はカラオケをさらに楽しみたいという方に向けて、高音が自然に出せるようになるボイストレーニング方法を解説していきます。

ボイストレーニング方法だけでなく、カラオケ・スナックを楽しむ上で知っておくと便利な知識も解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

話し声と歌声の高さは関係がない

「そもそも話し声が低いし…高音の曲なんて歌えるわけない」
と諦めていませんか?しかし、それは大きな間違いです。

歌声は「高音を出すテクニック」さえ掴めば簡単に高くすることが可能なのです。

その証拠に、プロの高音アーティストの歌声は高いのに対して、トークの時の声は標準的な高さであることが多いです。
例として、ONE OK ROCKのボーカルであるTakaさんや、back numberのボーカルである清水依与史さんも、地声は平均的な高さですよね。

よって、地声の高さは関係なく、高音を出すテクニックのコツさえ掴めば、誰でも音域を広げることができることがわかりますね。

音域を広げるボイストレーニング方法の前に、押えておくべき歌のポイントから解説していきます。

練習すれば誰でも高音が出せる理由

そもそも、なぜテクニックさえ掴めば高音は簡単に出せるようになるのでしょうか?

人の声の高さは、喉頭がある場合には声帯の振動数、つまり1秒間に声帯が何回振動するかによって決まります。

その単位はヘルツで表され、数が多いほど高い声ということになります。男性の話し声が女性より低いのは、男性の声帯振動数が、女性より少ないことによるものです。

少し複雑な話なので、ギターの弦に例えて解説していきます。

人間の声の仕組みは、ギターの弦が振動して音を出すのとよく似ています。ギターの弦はフレットを何も押さえない開放の状態で1番低い音が出ます。

これは弦が長いために1秒間の振動回数が減るからで、フレットを押さえて弦の振勳する部分を短くすると振動回数が増えるため、高い音が出ます。

ギターの弦の例は、声帯にも同じことが言えます。
声帯が長ければ低い音が出るし、短ければ高い音が出るわけです。

ギターのフレットの役割を担っている声帯の閉め方で振動する部分の長さを調整し、音の高低を歌い分けているのです。

先天的に声帯の長さは決まっているので、さらに声帯の振動する部分を長くして低音を出すことはほぼ不可能です。

ですが、振動する部分を短くすればするほど高音は無限に出るため、「声帯の振動する部分を短くする」というのが高音を出すテクニックになるのです。

低音域は絶対に広がらない?

前の項目で低音の出せる範囲は限界があると記述しましたが、声は加齢によって低くなることがあります。

  1. 加齢と共に声帯筋を覆う粘膜層の潤いが低下してハリがなくなる
  2. 声帯周辺の筋肉が衰えて声帯が緩み、声が低くなったり高い声や大きい声が出づらくなる

上記2点が大きな原因です。

要するに声が老化してしまうということなので、嫌がる方もいるかと思います。

しかし、歳を重ねるごとに深みのある低い声が出るようになり、渋みのある曲も歌えるようになると捉えることもできます。

「高い声も低い声もどちらも出したい!」という方も含めて、以下からは高音が出るようになる方法について解説していきます。

歌う時の基本的な準備

1.歌うであろう時間から逆算して最低3時間前には起床する

少し聞き馴染みのないポイントかもしれませんが、意外と重要な準備の1つです。

起床直後だと頭や身体は全開で動くことはできないため、最低3時間は確保しておくと頭や身体はしっかりと目覚めます。

なお『3時間』とは目安なので、自分の体質やサイクルを理解して、自分のベストを見つけてくださいね。

2.水分補給をこまめに

喉が乾燥していては、出る声も出なくなってしまいます。
しかし、歌う前に一気に水分を摂取するのはおすすめできません。

水分を摂取してから、身体中に回ってくるのにおよそ20分から30分かかるためです。
常に潤っている状態を目指すならば、普段からこまめに少しずつ水分補給をするのが良いでしょう。

常温の水や白湯などで水分補給をすると喉に負担をかけることもないためおすすめです。

3.歌った後にのど飴を舐める

「のど飴は喉に良い」というのは共通認識だと思いますが、実はのど飴は「舐めるタイミング」が重要になってきます。

のど飴はスポーツ後に筋肉を休めるための筋肉スプレーと同じ役割を果たすため、歌う前に舐めるのは正しい使用方法とは言えません。

歌った後の喉のクールダウンや、歌わない時の乾燥対策として舐めましょう。

龍角散のど飴やビタミンを含んだのど飴を選ぶとさらに効果があるためおすすめです。

4.ストレッチ・発声練習は欠かさずに

歌うということは、運動をしているのと同義になります。
運動前にはストレッチをして身体を暖めておくのと同様に、歌う前にはストレッチを欠かさずにしましょう。

また、急に歌うと喉を傷める危険性もあります。
以下からは、歌う前におすすめのストレッチや発声練習を紹介していきます。

〈おすすめのストレッチ〉

首のストレッチ

首周りのストレッチには、喉元の血流を良くして声帯を温めておく効果があります。

  1. 首をゆっくり回していきます。
  2. 首をかしげるようにゆっくり倒して、首の筋が伸びている感覚があるところで数秒間キープします。この時、左右どちらも行ってください。
  3. 天井を見上げるように首を上げ、あごやのどの筋を伸ばします。
  4. 首の付け根や鎖骨周りを優しくマッサージしてほぐしましょう。

表情筋のストレッチ

歌う時に表情筋があまり動かない人がいますが、それは大変もったいないことです。表情筋のストレッチをしておくと、顔の筋肉が温まり、声音をしっかりと使い分けることが可能になります。

  1. 「イ」を発声するときの口の動きで二カっと笑顔を作ります。
  2. 「ウ」を発声するときの口の動きで、唇を突き出します。
    この2つの表情を表情筋がほぐれていることを感じながら、交互に行いましょう。
    (「ア」と「ウ」の表情を交互に行うパターンもやりましょう。)

〈おすすめの発声練習〉

リップロール

リップロールとは、唇を閉じた状態で息を吐き、唇をブルブルと振動させる発声練習です。

表情筋がほぐれる、横隔膜や喚声点の鍛錬として効果的です。

リップロールを行う時のポイントは、息を吐く強さや量を一定に保つことです。初めのうちは頬に指を当てて表情筋を支えたり、唇を濡らしたりすると成功しやすいでしょう。

タングトリル(巻き舌)

声帯周りの筋肉をほぐすなら、タングトリルがおすすめです。
巻き舌を使う曲も多いので、上手くタングトリルができたら更にカラオケが上達するでしょう。

タングトリルは、上の歯に舌先を軽くあてて軽く「らりるれろ」と発音しながら息を吐き、舌がブルブルと震えたら成功です。

あくび発声

人間があくびをしている時は喉が一切緊張しておらず、伸び伸びとしたしなやかな声を出すのに1番理想的な状態です。
その状態を歌っている時もキープできるようにするためのストレッチです。

  1. 普通にあくびをします。ここで、喉が開いていることを感じることが重要です。
  2. あくびをした流れで「あ~~」とお腹から開き切っている喉をスッと通過するような発声をします。
  3. これを数回繰り返して、喉が開いた状態で発声する感覚を掴みます。

高音を自然に出すためのおすすめボイストレーニング方法

歌う前の準備を万端にしてから、ボイストレーニング方法に移っていきます。

〈地声を鍛える〉

初めから高音ばかり練習していると、変なクセがついてしまうので良いトレーニング方法とは言えません。

まずは地声の音域を鍛えることが大切です。

地声の音域の基礎ができてこそ、初めて高音域が生きてくるのです。

地声を鍛えて、しっかり声を響かせられるようにしましょう。

地声を鍛える方法として、先ほど紹介した発声練習は有効なのでぜひ試してみてください。

〈裏声を鍛える〉

地声をしっかり響かせられるようになったら、次は裏声のトレーニングです。裏声を鍛えると音域が広がり、無理に地声で力んで歌う必要がなくなるので喉を守ることもできます。

裏声の中でもメジャーであるファルセットとヘッドボイスを綺麗に出す方法を解説していきます。

ファルセット

ファルセットとは、合唱の発声法のように柔らかい声にたくさんの息が混ざったような裏声のことです。ファルセットを習得すると、歌の中に情感を与えることが可能になります。

1.身体の力を抜く

高音を出そうとするとついつい喉がキュッと締まってしまいがちですが、力が入ってしまうと地声からファルセットにしづらくなり、声が裏返りやすくなってしまいます。

力が入りやすい人は、少し身体でリズムを取りながら歌うと意識が分散されるのでおすすめです。

2.声が鼻より上の位置に上がるようなイメージを持つ

発声時、声が自分の鼻よりふわっと上に上がっていくのを意識してみましょう。

意識しづらいという場合は、手を使って声が上がるような仕草を加えると良いでしょう。そうすると自然と脳がイメージをして、ファルセットが出しやすくなります。

3.声を細く長く出し続けるイメージを持つ

ファルセットを出すときは、喉にある声帯がゆるく閉じています。

そこに細い息を当てることで声帯が振動し、ファルセットの息漏れするような柔らかく優しい歌声になるのです。

この時に、息の量が多すぎるとファルセットがかすれる原因になってしまいます。

声(息)を細く長く出し続けることをイメージしてみましょう。

ヘッドボイス

ヘッドボイスとは、声楽で「頭声」と呼ばれているように頭で声を響かせる発声法です。

ファルセットとヘッドボイスを綺麗に出すポイントはおおまかには同じです。違いとしては、息がどれくらい漏れているかどうかが重要になります。

ヘッドボイスは息がほとんど声になるため、息もれがありません。

ファルセットは息が漏れるので、ヘッドボイスよりも音量が小さく、ふんわりとした柔らかい声質になります。

もし自分が出している声がどちらなのかを見分けたい時は、口の前に手をかざして息が漏れているか確認してみるといいでしょう。

〈ミックスボイスを習得する〉

ミックスボイスとは地声と裏声の間くらいの声を出す発声法のことです。

地声と裏声が安定して出せるようになったら、グラデーションに繋げてミックスボイスを習得しましょう。

習得できれば1曲の中で「地声と裏声の境目」がなくなり、滑らかな歌声で高音域の曲にも対応できるようになります。

最後に、時間を空けてしまうと喉がなまってしまうので、ボイストレーニングは定期的に行うことが1番重要です。

終わりに

今回は歌の豆知識・高音が自然に出せるようになるボイストレーニング方法を解説していきました。

ボイストレーニング方法も重要ですが、歌う前の準備をしっかりとしておくことで自分の声のポテンシャルを活かしきれるのです。

この記事が、カラオケやスナックを楽しみたい方の参考になればと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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