世の中には様々な音楽があり、数多くの音源が市場には存在しています。バンドやミュージシャンが生み出した音が、最適な状態で私たちのもとに届けられるのは様々な人の頑張りがあるのはご存じでしょうか。その仕事の一つとして不可欠なのが、レコーディングエンジニアです。
今回はレコーディングエンジニアについてご紹介します。
目次
レコーディングエンジニアってどんな仕事?
音楽をしている人や好きな人ならば、私たちが普段聞くCD音源等はアーティストの演奏する生音と違うのはご存じだと思います。CDやレコードを録音することをレコーディングといいますが、レコーディングエンジニアはそんなレコーディングのプロフェッショナルなのです。
どんな仕事?
一言で言うならばレコーディングの音にかかわる部分の調整をすべて行います。
レコーディングの手順には3つの段階があり、
- 音を録音する(レコーディング)
- 録音した音源を編集する(ミキシング)
- 作品の最終調整・微調整をする(マスタリング)
これらの手順を踏むことによって私たちのもとにCD音源、レコード音源が届けられるということです。イメージとしては、
レコーディング
音源を録音する際マイクなどの機器のセッティングを行い適切な音源がとれるようにし、コンソールに入力された音声信号の品質や音量のレベルの数値を確認し調整します。
またアーティストが聞くヘッドフォンモニターで聞く音の調整も行ったりします。とても簡単に言うと、「アーティストが歌いやすい・演奏しやすいように音を調整して、いい音が取れるように機材を設置し音を調整する」ということです。
ミキシング
レコーディングをする際、多くはボーカルやコーラス、各楽器パートの音源を別に録音します(別録)。別録した個々のパートや楽器を1つの曲にまとめ上げることをミキシングといい、ただ音源を合わせるだけでなく各音源を調整しバランスを取る必要があります。
マスタリング
ミキシングを行った音源の最終調整をするのがマスタリングです。CDなどの場合、収録されるのが1曲ではないので、それぞれの曲同士の兼ね合いや、CDのテーマや製作者の意図等を加味したうえで、全体の音のバランスや聴感を調整するのもレコーディング・エンジニアの仕事です。
これらの作業を一人のエンジニアがすべて行う場合もあれば、作業ごとに複数人に分かれて行う場合もあります。
レコーディングエンジニアの醍醐味
レコーディングエンジニアの一番の醍醐味は、アーティストとともに一つの作品を作り上げるということです。作品を完成させ、その曲がヒットしたりするとうれしさもひとしおです。自分がプレイヤーでない場合で最も直接的に音作りに関わる仕事の一つだと思います。
レコーディングエンジニアの就職先って?
レコーディングエンジニアとして就職する場合、レコーディングスタジオかもしくはプロダクションに努めることが多いと思います。
レコーディングエンジニアになる、といってもいきなりレコーディングエンジニアとして雇ってくれるところは少なく、大体はアシスタントエンジニアという形でアルバイトや非正規雇用となります(実際はアシスタントのアシスタント、要は雑用のようなところから始まると思います)。経験を積んだのち、レコーディングエンジニアとして正社員雇用という流れが主流のようで、直接レコーディングエンジニアとして就職するにはキャリアがある人でないと厳しいのが現状です。
レコーディングエンジニアになるためには?
レコーディングエンジニアに興味がある、もしくは興味が出てきた人のために、どうしたらレコーディングエンジニアになれるかをお話ししましょう。
基本的にはレコーディングスタジオやプロダクションに就職することになると思うのですが、どうすれば就職できるのでしょうか。
求められるスキルは?
当然のことレコーディングやミキシングに使われる機材の知識や使い方は必要となります。個人で機材を集めたり独学で学ぶのはハードルが高いため、音響系の大学や専門学校に行くか、経験不問のレコーディングスタジオなどにアルバイトなどで飛び込んでみるかのどちらかになると思います。どちらがいいかは人によりますが、大学や専門学校に行っても就職が保証されているわけではなく自身での努力が必要ですし、経験がない状態で専門性の高いアルバイトなどをするためには学びながら働くガッツが必要です。
また機材だけではなく、楽器や演奏方法などの音楽的な知識も必要です。これが不足しているとアーティストや音楽プロデューサーとのコミュニケーションに支障をきたします。円滑な仕事進行のために、自分で音楽をやって楽器を演奏したり作曲を経験したりするのもいいと思います。
そして音楽に対する知識も不可欠です。様々なジャンルの音楽や時代の流行がどこにあるのかがわからなければ、到底ニーズに合った音作りなんてできません。各ジャンルの有名どころや、最新のヒットチャートには常にアンテナを張っておきましょう。
あとはしいて言うなら、コミュニケーション能力でしょう。クライアントの意図を読み取りいい作品を作っていくには綿密な打ち合わせやコミュニケーションが必要不可欠です。
才能は必要?
音楽的な才能はあって困ることはありませんが、レコーディングエンジニアに才能はそれほど必要ないと思います。
機材の操作方法はある程度経験を積み学べば誰でもできることですので、どちらかというと音楽に対する知識や歓声が必要なので、様々なジャンルの音楽にアンテナを張って貪欲に収集することが求められると思います。
フリーランスでするにはどうすればいいの?
最後にフリーランスのレコーディングエンジニアになることができるかについてお話します。結論から言うと、仕事をとってくる力があればフリーランスでも可能と思います。フリーランスでやっていくには、自分をマーケティングする力、人脈力が必要になると思いますので、将来フリーランスでやっていきたい人はまずは雇われで経験を積みながら並行してそういったものを磨いていきましょう。
裏方なれど必要不可欠
いかがでしたでしょうか。今回はレコーディングエンジニアについて紹介しました。音楽に対する知識や専門性の高い知識が求められますが、やりがいはあるいい仕事だと思います。
CDが売れない時代が来ていて音楽業界の一部があおりを受ける形になっていますが、ネットを中心とした音楽ビジネスは好調でまだまだレコーディングエンジニアの需要は十分にあると思います。
これからレコーディングエンジニアになりたい人の参考になれば幸いです。