楽器の盗難を防ぐためにすべきこと

楽器の盗難を防ぐためにすべきこと~有効な事前策と事後策~

バンドマン含めミュージシャンにとって楽器は自身のかけがえのない相棒です。苦楽を共にし、慣れ親しんだ楽器はかけがえのないものです。

そんな楽器でも容赦なく盗難の被害にあうことがあります。SNSなどで盗難されたという投稿を見かけることがあると思いますが、決して他人ごとではありません。盗難対策は必ず必要なのです。

今回は楽器の盗難対策についてのお話です。

自分は安心だと思っていませんか?

楽屋にはエフェクターボックスや楽器ケースが並ぶ
ライブハウスの楽屋に並ぶバンドの機材

意外なことに多くの人が楽器の盗難対策を行っていません。「自分の楽器が盗まれるなんて思ってもいなかった」という人が多く、盗まれて初めて対策の必要性に気が付いたりするのです。

楽器は盗まれうるもの

楽器が盗まれる理由は主に2つあります。

1つ目は転売してお金を得る目的です。楽器は安いものは安いですが、高いものは数十万数百万と非常に高額です。窃盗犯にとってはおいしい獲物です。

2つ目は自分で使うために窃盗するというパターンです。普通の感覚を持っているならびっくりするかもしれませんが、買えないから盗ろう、あまつさえそれを平然と自分のものとして使うような人間もこの世の中に入るのです。

このように楽器は音楽に興味があろうが無かろうが盗まれる可能性がある、ということを意識しておいてください

高額だろうが安ものだろうが関係ない

「自分の楽器はそんなに高いものじゃないし大丈夫」と思っていませんか?それは非常に甘い考えです。楽器は安くても盗まれることはあります

なぜなら窃盗犯は計画犯もいれば、突発的に窃盗する犯人もいるからです。「楽器=高そう」というイメージがあれば、盗めるシチュエーションに遭遇した時に価値もわからずとりあえず盗んでいくなんてことがあります。

むしろお金にならないのでゴミ等で遺棄されるパターンが一番最悪で、山奥や河川敷などで捨てられるとほぼほぼ戻ってくることはないでしょう。思い入れのある楽器がそんな形で捨てられるのは何とも悲しいことですよね。

盗難防止のためにすべきこと

犯人はいつでも狙っている
犯人はいつでも狙っている

まずは盗まれないようにするためにすべきことについてお話ししましょう。

肌身離さずに持ち歩く

一番の対策は肌身離さず手元に置いておくことです。凄く当たり前のことで、「そんなことやっているわ!」とツッコミが飛んできそうですが徹底できている人は本当に少ないです。

例えば移動中に行きたくなった時、大型の楽器で持ち込みづらいので入口においていたりしませんか?用を足すほんのちょっとの時間、数十秒目を離すという行為が窃盗に繋がります。

あとは車内に楽器を置いたまま買い物に行って車上荒らしにあう、なんてパターンもありますライブハウスの控室に置いていても盗難にあった、なんて話もあるので自分の手元に置いておく以外は安全な場所はないと思っておきましょう。

また、意外に多いのは置き引きにあうパターンです。「楽器のような大きなものを置き忘れることなんてあるの?」と思うかもしれませんが、慣れというものは恐ろしくなんとなくやっているとふとした瞬間に置き忘れてきたりします。楽器を持って移動する際は必ず移動する前にチェックすることを癖付けするようにしましょう。

誰かに見張っていてもらう

手元が安全だとはわかっていても、どうしても楽器から離れなければならない瞬間というのがあります。その際は仲間同士交代で用をすますなど、面倒でも誰かが見張っている状況をできるだけ作るようにしましょう

チェーンや南京錠などで施錠する

どうしても誰の目からも離れなければならない状況は仕方ありません。こんな時こそしっかりロックです。

お勧めなのが楽器ケースを施錠したり、チェーンやワイヤーロックなどで動かせないものに繋いでおくことです。南京錠でも番号ロックでも構いませんが、コツは複数個の施錠を行うことです。これはセキュリティの強固さもそうですが、盗むのが面倒くさいと思わせることで窃盗を抑止することができるのです。

万が一盗まれた時のためにすべきこと

盗難届は近くの交番に
盗難届は近くの交番に

しかしどれだけ対策を講じても、残念ながら窃盗にあってしまうこともあるかもしれません。盗まれた後にすべきことをお話ししましょう。

楽器の写真や情報をあらかじめ控えておく

もし盗難にあった際、情報が多ければ多いほど探しやすいです。楽器の種類やメーカー名、色などはもちろん

  • 楽器カバーと楽器本体の写真(全体がわかるもの)
  • 楽器の型式や製造番号(シリアルナンバー)
  • 楽器のオプションの有無、傷などの特徴

なども事前に控えておきましょう。これらがわからなければメーカーや購入店舗に問い合わせましょう。正確な情報こそが発見へとつながります。

購入レシートや保証書、修理の見積もりなどを取っておく

盗品が見つかったとしても、状況によっては所有者であることを証明できなければ返してくれないこともあります

所有者であるということを手っ取り早く証明するために、楽器を購入した際のレシートや保証書、修理をしたことがあるならその見積もりやレシートは取っておきましょう。

GPSを付けておく

必須ではありませんが、可能であれば楽器ケースにGPSを付けておくのもいいでしょう。スマホで位置がわかるものもありますし、中には盗難対策のサービスとしてGPS追跡の月額サービスなどもあります。

盗難届を出す

盗難被害に逢った後、まず真っ先にすべきことは盗難届を出すことです。これは発見を期待するためにするのもそうですが、まずは警察に盗難届を出さないと対応してくれないケースがあるからです。

盗難届が受理されると受理番号というものが発行されます。盗品が見つかったときやこの後お話しする楽器協会に届け出るときに必要になるので、しっかりと控えておきましょう。

楽器協会に届け出る

一般的にあまり知られていませんが、一般社団法人全国楽器協会という楽器の製造・卸売・小売業者が加盟している組合があります。手数料はかかりますが、全国音楽協会に盗難について相談すると加盟店に連絡を入れてくれるので、それ経由で発見される可能性(盗品を小売店に売却に来るケースなど)がありますので、届け出ることをお勧めします。

TwitterなどSNSで情報を募る

時代はネット社会、TwitterなどSNSの情報源もばかにできません。ハッシュタグを駆使し(#拡散希望#楽器盗難など)情報を募りましょう。

フリマ・オークションなどの確認

転売目的の場合楽器店や質屋に売られるほか、フリマサイトやネットオークションなどで転売される可能性もあります。

出品物が盗品かどうかを判断するのは難しいですが、珍しい機種であったりあからさまに傷などの特徴が一致する場合は自身の盗品の可能性もありますので、運営元や警察に相談しましょう。

保険に入っておく

いろいろ手を尽くしても盗品を必ず取り戻せるという保証はありません。そのときのために、あまり知られていませんが楽器にも破損や盗難紛失した際の保険というものがあります

自身の楽器が返ってくるわけではないので、利用する場合は高額な楽器で金銭的な損失が大きい場合が主となると思います。

大切な愛機を守るために

いかがでしたでしょうか。今回は楽器の盗難対策についてお話しました。

どれもこれも当たり前で目新しい情報がなかったかもしれませんが、大切なのは徹底することです。どれだけ気を付けていても不測の事態というのは起こりうるものですから、被害に逢わないためにも、万が一あったときにも対応できるように日々気を付けましょう。ぜひ参考になれば幸いです。

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