ダイナミック・プライシングとは

価格変動制チケットのダイナミック・プライシングで音楽業界はどう変わるのか?

ダイナミック・プライシングとは?

ダイナミック・プライシングとは、条件によって商品やサービスの価格がリアルタイムまたは高頻度に変動する仕組みです。

ダイナミック・プライシングの導入事例

ダイナミック・プライシングは航空チケットで導入
ダイナミック・プライシングは航空チケットでも導入されている

よく使われている例としては、ホテルの宿泊料や、飛行機の航空券です。季節による繁忙期や閑散期など需要の変動によって価格がコントロールされます。

海外の導入事例

数年前からアメリカのスポーツ界で導入され、それまで一律だったチケットの価格をダイナミック・プライシングで販売することで多くのチームの収益性の改善に繋がりました。

ヨーロッパではスキー場に導入され、天候による集客の減少を段階的に価格を変動させることで増やす施策、早期予約の割引、予約時間や休日や季節などに合わせて価格を変動させ収益を最大化させています。

日本でも導入されている

スポーツ観戦での導入が注目されている
スポーツ観戦での導入が注目されている

日本でもさまざまな分野で導入や導入検討や実証実験が行われています。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンやスポーツの観戦チケットなどで導入され、まだ実験段階ですが、電気料金(一部地域)、ローソンのお弁当やお惣菜などのロス商品の廃棄対策としても導入されています。
最近では電車にも通勤時間などで変動する料金設定の導入が検討されるなど、ダイナミック・プライシングが身近になっています。

音楽業界にも波がおとずれる?

では、音楽業界ではどのように導入されるのでしょうか。

日本初の音楽イベントでの導入事例

2019年11月、日本で初めてダイナミック・プライシングの時価チケットを導入した音楽イベント「Yahoo!チケット EXPERIENCE VOL.1」が千葉の幕張メッセで開催されました。
チケットは3期にわけて販売され、1期目の最前列の席は5万円を超えました。しかし2期、3期と次第に価格は3,000円まで落ち込み当日券ではクーポンを発行し実質2,000円で販売されれるなど、開催日によっては空席もみられたそうです。
出演アーティストもタイムテーブルも公開されているイベントの場合、顧客が見たいアーティストや会場へ行く時間や帰る時間など需要のバランスが発生し、このような結果がでてしまう可能性もあるように思います。

成功したライブ

一方で、同年12月大晦日に開催された浜崎あゆみのライブにもダイナミック・プライシングが採用され、従来では一律9,600円だったチケットを3エリアにわけて価格に上値と下値を設定した上で、需要のバランスで価格を変動させた。

結果、販売開始と同時に申し込みが殺到し、2エリアに関してはすぐに上値を付けて完売。

浜崎あゆみほどの人気アーティストだから当然の結果のように思いますが、国内では例のない成功モデルとなりました。

ダイナミック・プライシングは課題を解決する

ダイナミック・プライシングが解決する課題
ダイナミック・プライシングが解決する課題

ダイナミック・プライシングは見方によって「アーティストや企業側の儲け主義」と捉えられる場合など、顧客の不信に繋がる可能性や、チケットが高騰することによる顧客離れなど、未だ定着は難しいと考えています。

しかし、課題であったダフ屋やオークションやフリマサイトへの転売目的の購入による、買いたい人が直接買えない(第三者の利益が発生する)という状況を改善することができるほか、チケット価格の硬直性は販売開始後にチケットの価格を下げるのは難しいため企業としてはリスクがあります。
チケット価格が変動することで潜在顧客層へのタッチが可能になる仕組みだと考えています。
(筆者は転売(再販)の仕組みは必要な仕組みだと考えていますが。)

これから価値が大きく変わる

デジタル化したアーティストの楽曲は、サブスクリプションでの配信や無料配信やNFTを販売するなど、これから楽曲の価値が大きく変わる時代。

その中で、生のライブやイベントのような催し物は新しい価値を見つけていくべきだと思います。

課題は残っているもののダイナミック・プライシングは新しい価値のひとつの選択肢であることは間違いないのではないでしょうか。

【参考記事】
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18726?layout=b
http://www.nmo.ne.jp/publicity/ol2002.pdf

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