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メタバースとは
Meta(超越した)とUniverse(世界、宇宙、領域)を合わせた造語のMetaverse(メタバース)は1992年にアメリカの作家ニール・スティーヴンスンのSF小説『Snow Crash』に登場した言葉です。
現在のところメタバースは定義されていませんが、『Snow Crash』やインターネット上の情報から考えると、人々はインターネット上の三次元の仮想空間にアバターで参加し、空間上のコンテンツでコミュニケーションをはかり経済活動をおこなう世界を指していると思います。
メタバースを志向したサービス
メタバースを志向したサービスはたくさんありますが、メタバースはRPGなどのストーリーが設定されているゲームなどとは異なり、空間に入ったユーザーがそれぞれ利用方法を模索しながら世界が作られていきます。
Scond Life(セカンドライフ)
メタバースに近いシステムとして有名なのが2003年に公開され2006年頃から注目されたアメリカのリンデン・ラボ社が運営するSecond Life(セカンドライフ)で、仮想空間上をアバター(ユーザーの分身)で自由に動き回ることができます。ブームにともない企業が広報活動の一環として仮想空間上に土地を所有したりアバターに対し衣服を販売し店舗を構えるなど社会現象となりました。
Decentraland(ディセントラランド)
2017年に公開されたイーサリアム上で動くVR(バーチャルリアリティ)プラットフォームで、特徴として仮想空間の構築を目的とし、ユーザーは区画された土地を購入し、その土地でイベントや教育や職場環境など、さまざまな用途で使用することが可能になっています。Decentraland上では仮想通貨(MANA)を使用し土地などを購入することができます。
ブロックチェーン技術を使用することで、不正ができないなどセキュリティ面も考慮されています。
音楽やゲーム業界が取り組むメタバース
2021年7月にゲームプラットフォームのRoblox(ロブロックス)とSony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンターテイメント)が提携を発表しました。
プラットフォームである仮想空間に、音楽、エンターテイメント、テクノロジーが交差することで創造性の高い新しいビジネスモデルや、画期的なツールが提供されることが期待されます。
そして、RADWINPSのバーチャルライブ『SHIN SEKAI』はクリエイティブ集団PARTYが開発した『VARP(ヴァープ)』という最新テクノロジーと融合した新しい時代の音楽体験ができると話題になりました。
『VARP』はユーザーがアバターを選択し仮想空間であらゆるエンターテイメントの共体験を可能にするプラットフォームです。
空間音響が創るメタバース
古くからPink Floyd(ピンクフロイド)で採用されたHolophonics(ホロフォニクス)など立体音響を始め、現在も3Dの音の表現について研究が進んでいます。
メタバースの臨場感を演出し世界に没頭するには視界だけではなく耳から入る情報も大事になります。アバターの位置とライブ演奏や会話が行われている位置などが空間に表現されることで、現在のZOOM会議のような1対Nまたは1対1の会話だけでなく、N対Nの世界が生まれてくるのではないでしょうか?
また、立体音響により音楽の表現も多様性を増し10年後の音楽はこれまでと全く違う未来が待っているかもしれません。
※不確実な内容ですみません。
メタバースにある物理空間
物理空間の情報を仮想空間にコピーし再現するデジタルツインという技術が話題になっていて、2020年にはコロナの飛沫シミュレーションなどで多く使われました。
このデジタルツインでミラーワールドの取り組みも始まっています。
物理空間をコピーし仮想空間で表現できるということは、誰でも日本武道館や東京ドームのステージに立ち演奏を体験できる未来も予想されます。
または、過去のライブを表現するなどノスタルジアを楽しむことができます。
デジタルツインによるミラーワールドの世界はデータを丸ごと保存し過去に戻るタイムマシンのような仕組みも可能になるかもしれませんね。
デジタルツインの世界で自由に旅行
『Microsoft Flight Simulator』はゲーム内で好きな機体を操縦しながら世界のどこへでも行けるという、地球を丸ごとゲーム空間に再現するというミラーワールドが広がっています。雲の上を飛んだり、空から街を見下ろしたり、朝日や夕日を楽しんだりと魅力たっぷりのゲームになっています。
メタバース上でNFTを活用
きゃりーぱみゅぱみゅや中田ヤスタカなど数々のアーティストやクリエイターが所属するアソビシステムなど3社のグローバル文化都市「メタトーキョー」を創り出すWeb3.0プロジェクトが始動。
このプロジェクトでは次世代メタバースともいわれる『Decentraland(ディセントラランド)』上で土地を購入し文化都市の創出とエリア開発、NFTなどブロックチェーン技術を活用し、日本から世界へのデジタル文化輸出、グローバル・クリエイター・エコノミーをWeb3.0で実現など、具体的な取り組みも発表されている。
メタバースに経済圏が生まれることで、相互運用性の高いNFTが拡大するのは必至だと思います。
現在は投資イメージが大きいNFTですが、仮想通貨も同様、使える場所が用意されることで、利用者は一気に増えると考えています。
メタバースの未来
リサーチ会社IDCのレポートによると、VRやARの世界市場は、2020年から2024年まで年率54%の成長をし、約1兆2400億円から約7兆5000億円に市場が拡大すると予想されています。
VR=メタバースではないのですが国内でも企業が参入や投資を発表するなど注目が集まっています。
Facebookもメタバースに約5,500億円の投資をしARやVRの大規模な人材募集を開始しています。
音楽でもこの新しい世界で表現の場を見つけるアーティストがたくさん出てくると思います。
メタバースが身近になり、家の中からでもコンサートなどの感動やそれ以上の表現が生まれる日も近いかもしれないですね。