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メジャーデビューが目標!というあなたに
音楽活動をしていると、一度は皆メジャーデビューして自分たちの曲が売れて、なんてことを考えたり目標にしたりすると思います。
ですがここ近年で音楽業界を取り巻く形も随分と変わってきました。
今回はメジャーとインディーズについてのお話です。
メジャーデビューってどういうこと?
そもそもメジャーデビューって何のことか、なんとなく使っている人が多いと思います。なんとなくCDが売れたり、有名になったりするのがメジャーデビューというイメージはないですか?
日本でいうメジャーデビューというのは、メジャーレーベルからCDなどをリリースすることを指しています。
メジャーレーベルって?
日本のメジャーレーベルというのは、日本レコード協会に加盟している正会員のレコード会社のレーベルのことです。
日本レコード協会というのは日本のレコード会社によって構成されている一般社団法人です。2021年現在、以下の18会社が正会員です。
- 日本コロンビア株式会社
- 株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
- キングレコード株式会社
- 株式会社テイチクエンタテインメント
- ユニバーサル ミュージック合同会社
- 日本クラウン株式会社
- 株式会社徳間ジャパンコミュニケーションズ
- 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
- 株式会社ポニーキャニオン
- 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
- 株式会社バップ
- 株式会社ビーイング
- エイベックス・エンタテインメント株式会社
- 株式会社フォーライフ ミュージックエンタテイメント
- 株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 株式会社ドリーミュージック
- 株式会社よしもとミュージック
- 株式会社バンダイナムコアーツ
これらの会社のレーベルからCDを出しているというのがメジャーデビューということです。大企業なので資金力は高く、強大な流通経路やノウハウを持っているのはやはり魅力的ですね。
メジャーデビュー=成功ではない
メジャーデビューはもちろんすごいことですが、メジャーデビューしたからと言って成功ではありません。おそらくメジャーデビューすれば、事務所が全面バックアップしてくれる!と思っている人も多いと思います!
ですがそれは残念ながら勘違いなんです。メジャーレーベルでも事務所が全面的に売り出してくれるのは所属しているアーティストのごく一部なんです。
勿論メジャーレーベルともなると最初はそれなりの予算は投入してプロデュースしてくれます。ですがそれは決してゴールデンタイムの歌番組に出たり、CMをバンバン売ってくれたり、全国流通で多くのCDを売り出してくれたりなんてことは期待しないほうがいいです。事務所内でも競争があり、優先順位がつけられるのは覚えておきましょう。また結果を残せなければ解雇されやすいのも現実です。
シビアなことを書きましたが、チャンスが与えられるのは間違いないので、生かすも殺すもそのアーティスト次第ということです。
メジャーデビューをすると損をする?
メジャーデビューもいいことばかりではないのは事実です。
レーベルに所属すると資金的に楽になるイメージがありますが、売れないならむしろその逆です。
大手はかかわる企業が多いため、アーティストの売り上げからレコード会社やCDショップ、CDプレスやJASRACへの費用など自分たち以外の組織への出費も増えます。驚くことに、アーティストの手元に残るのは1割にも満たないのが殆どなんです。
またレーベルに所属すると担当がついたりします。そして売れていなければもちろんテコ入れがあるのですが、自分たちのやりたい音楽性の曲でやっていくことを提案されるこということがあります。自由にできなくなるわけですね。
正直これをデメリットととるかは受け取り方次第だと思います。(売れていないからテコ入れが入るわけですから、方向性を変えれば成功する人もいます)
ほかにはSNSの利用や私生活での制限がかかったりすることもありますが、ある程度は仕方ないと思います。
インディーズってどういうこと?
では次にインディーズについてお話してきましょう。インディーズというのは、インディーズレーベルでCDを出している場合ですね。
インディーズレーベルって?
これは簡単で、要はメジャーレーベル以外のレーベルがインディーズレーベルです。日本レコード協会の18の正会員の会社以外のレーベルがそれにあたります。
インディーズレーベルは無数にあり、規模も様々ですが大体は中小企業または個人になります。ということは、大企業であるメジャーレーベルと比べるとどうしても資金力が低くなります。
資金力が低くなるとやっぱり所属アーティストにかけるお金が下がるので、大手メジャーレーベルのようなバックアップは期待できないのは正直なところです。ですので基本的には営業や宣伝などもアーティスト自身がしなければなりません。
インディーズがメジャーに劣っているわけではない?
ではインディーズレーベルに所属するメリットは何でしょうか?それはメジャーレーベルほどかかわる企業が多くないので、自身の音楽活動が収入に直結するということです。バックアップは貧弱ですが売れた時のリターンは大きいわけですね。
一見インディーズはメジャーに劣っているというイメージがありますが、今の時代これは錯覚だと思います。昔はテレビやCD販売などでしかプロモーションをする場所がありませんでしたが、近年はスマホの普及、SNSの流行などで個人でプロモーションをすることはそんなに難しくなくなりました。
ネットやSNSを駆使して上手くプロモーションし、売れているインディーズバンドも数多くあります。
自主制作という手段はどうだろう?
レーベルに所属せずに自主制作でCDを作るという手段もありますが、これはバイタリティがかなり必要です。収録からCD制作から流通経路の確保からすべて自分たちでしなければならないので、時間も労力もかなりかかります。ですが売れればほぼ100%自分たちの収入になるので、リターンはかなり大きいです。
ですが正直成功しにくいのが現実です。クラウドファンディングなどで資金を集め、CD発売までこぎつけた!となっても売れなければビジネス的には何の意味もありません。趣味なら構いませんが、CDを出すことが目的になってしまったら本末転倒です。しっかり売れる算段をつけなければならないので難易度が高いです。
結局どの方法がいいの?
いかがでしたでしょうか。今回はメジャーとインディーズについてお話をしました。
結局どうすればいいのか、というお話は好みの問題になりつつあると私は思います。
確かに大手のバックアップというのは手厚く、メジャーレーベルに誘われるということは一定の評価を得ているということではあるのですが、そこから売れるのは本当に狭き門です。メジャーレーベルで売れる実力があるなら、正直今の時代インディーズでも売れると思います。
一つ言えるのは、レーベルに所属することをゴールにしないでほしいということです。レーベルに所属することはメリットもありデメリットもあるので、生かすも殺すもあなた次第です。