格言に見る、音楽家の人生
何かを成し遂げた人の言葉には重みがあり、その人生や人物像が現れるものです。
その生涯や考え方はきっと私たちの参考になり、生きる上での知恵を与えてくれるはずです。
今回は偉大な音楽家の格言からその人物像・考え方を読み解き、どういった教訓を得ることができるか見ていきましょう。
目次
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)
経歴
いわずと知れた「音楽の父」、ヨハン・セヴァスチャン・バッハです。バッハはバロック時代に活躍した音楽家で、作曲家として著名ながらも自身も鍵盤楽器の演奏家として公明でした。西洋音楽の基礎を構築した人物として知られ、多くの管弦楽協奏曲や器楽曲を残しました。
格言から見える人物像・教訓
バッハが「音楽の父」と言われている理由をご存じでしょうか?それは後世の音楽家にバッハに影響を受けたものが多いからです。彼はなぜ音楽の父となりえたのでしょうか?音楽の才能がすごかったから?楽曲が流行したから?
私は一番の要因は彼が「勤勉が服を着て歩いている」と揶揄されるくらいとても勤勉な人物だったからだと思います。実はバッハ自身もそのあたり自覚あるようで、
私は勤勉であるしかなかった。同じように勤勉な人は誰であれ成功するだろう。
絶え間なく働き、分析し、反省し、たくさんの作品を書き、自分で修正する。それが私の秘密だ。
という言を残しています。彼が素晴らしい作品を残すことができたのは、ひとえに努力の天才だったといことですね。音楽という彼が定めた生涯の仕事に、一つのことにただひたすらに勤勉に打ち込む、そういった努力の大切さを私たちに教えてくれます。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)
経歴
お次は「天才」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトです。音楽一家に生まれ、子供のころから神童とうたわれたモーツァルトは、古典派音楽の時代に活躍した最も有名な音楽家の一人です。数多くの名曲を作曲し、モーツァルトに駄作なしと評する音楽家もいるくらい天才的です(『トルコ行進曲』や『魔笛』や『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』など)。
格言から見える人物像・教訓
天才として名高いモーツァルトですが、モーツァルトは天才というものをどうとらえていたのでしょうか。それがわかるのが、
高い知能や想像力、あるいはその両方があったとしても天才にはなりえない。愛こそがまさに天才の神髄なのだ
という言です。
おそらく自分が興味を持ったもの、好きなものは全力で愛を持って挑む、愛こそがモーツァルトの原動力だったのかもしれません。また、
多くのことをなす近道は、一度にただ一つのことだけをすることである。
とも言っており、努力の天才と純粋な天才、勤勉さと愛という違いはあれど、やはりモーツァルトもバッハと同様いかに一つのことに打ち込むことが大事かということを語っています。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)
経歴
最後に紹介するのは「楽聖」ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンです。モーツァルトとほぼ同世代の音楽家で、彼もまた古典派を代表する音楽家のひとりで、ロマン派の先駆けでもあります。ワーグナーやナポレオンとも交流があり、『交響曲第5番「運命」』や『交響曲第9番』はあまりにも有名です。
格言から見える人物像・教訓
はたから見ると成功に満ちた人生のようですが、ベートーヴェンにとって己が人生は苦難に満ちたものでした。父親は宮廷音楽家だが飲んだくれ、2度の失恋、ナポレオンの「裏切り」、そして音楽家の命である聴覚を失うという様々な困難に直面しています。
それが彼の運命だったのでしょうか。しかし、深く絶望し一時は命を絶つことを緩ガルも、音楽への情熱が彼を思いとどまらせます。そして、
私は運命を支配してやる!運命は必ずしも私を打ちのめすとは限らないんだ!ああ、生きることはなんと素晴らしいことだ!
と奮起し、数々の素晴らしい作品を世に残します。どんなに困難な状況でも人生をあきらめてはならないということが彼の人生からよくわかりますね。
芯を通すこと、それが何かをなしえること
いかがでしたでしょうか。今回は偉大な3名の音楽家の人物とその格言をご紹介しました。
歴史に名を残し成功者と称えられる偉大な音楽家たちですが、私たちと何ら変わらず様々な困難に直面し、多くの努力を刻んでいます。何かをなしえる人物はやはり信念をもって何かをやり遂げる努力を惜しまないということがよくわかりますね。
ぜひ参考になれば幸いです。