新時代のCDのありかたって?

新時代のCDのありかたって?~CDが売れないこの時代に~

一昔前は音楽を聴くといえばCDを買ったりレンタルしたりというのが当たり前の時代がありました。その時代を知っている人からするとどうしてもCDが売れるというのが成功のイメージがあったりしますが、今やCDのありかたも随分変わってきました。

今回はCDが売れない現代においてのCDとの付き合い方についてお話ししましょう。

CDはどのくらい売れなくなったの?

机の上に大量に積まれるCD
机の上に大量に積まれるCD

CDは売れなくなった、というのはみんなが共通して持っているイメージだと思いますが、実際にどういう変化をしているのかは意外と知らないのかもしれません。まずはどのくらい売れなくなっているかを先に説明しましょう。

CDバブルと呼ばれていた90年代

30代以上の人は、昔はCDをよく買ったという人が多いと思います。それもそのはず、90年代はCDバブルといわれており、飛躍的にCDの売り上げが伸びたのです。

1990年には約3200億ほどだったCDの生産金額もピークの1998年には約5900億に増加している。90年代後半から2000年まではCDは5000億円規模の市場だったのだ。

音楽配信への移り変わりとCD販売の低迷

iPodをはじめとするMP3などを再生できるミュージックプレイヤー
iPodをはじめとするMP3などを再生できるミュージックプレイヤー

2000年代に入るとCDの売り上げはどんどん落ちていくことになります。理由としてはiPodやiTunes Storなどの登場によってデジタル販売というものがどんどん普及していったからと言われています。2006年以降はデジタル販売がCD販売を上回っており、2011年にはピークの約1/3、2020年にはピークの約1/5まで市場が縮小してきています。CDが売れなくなった、と言われるのにも納得ですね。

これからのCDの価値って何だろう?

データでも見てもらった通り、もはや音楽を聴くためにCDを買うということはどんどん無くなっていくといってもいいでしょう。それでもCDはなくなるのか、といえば私はそうは思いません。デジタル販売にはない、CDの価値があると思います。

CD生産金額の推移
一般社団法人日本レコード協会のデータより

希少なコレクション的な存在に?

デジタル販売は今や多くの曲をカバーしていますが、それでも絶対ではありません。デジタル化されていない楽曲などはCDで収集するしかありませんし、また保存性はデジタルデータよりCDのほうが優れている部分もあるので、CDはそういった希少なコレクション的な役割として残り続けるのではないでしょうか

ファングッズの一環?

CDが売れなくなった時代ではあるのですが、ジャニーズなどのアイドルなどのCDはいまだに売れている傾向にありますよね。そこにCDが売れる理由があると思います。

楽曲を聞くだけなら、デジタル販売で買えば済む話です。ですがファンからすると何か味気ないですよね。変な話、わざわざCDを買うことによって、ファンとしての本気度を示すみたいなグッズ的要素がCDにはあると思います。

このようにファンの音楽体験をより良いものにするものがCDの価値といえるかもしれません。

それでもCDを売るために必要なことは?

もうお分かりの通り、CDを売って知名度を上げたり、利益を上げたりするのは一部のアーティストを除いて難しいと思います。

それでもCDを売るために必要な戦略とは何でしょうか?

付加価値を付ける

CDを音楽を聴くために買うのではなく、買うことに付加価値をつけることは大切だと思います。付加価値といっても様々あり、AKBのように握手券などで付加価値をつけることもありますが、あまり現実的ではありません。

それよりかはジャケットを作りこみ、収録曲にこだわりCDの質を高めることによって付加価値をつければ、少々高くてもファンならば欲しがる一品になったりするでしょう

販路を限定する

CDを売る場を例えば公式ファンクラブ限定にしたり、ライブ会場での限定にしたりと販売経路を絞ることはブランディングとして有効だと思います。

枚数の希少性を作る

希少性を出すために販売枚数を限定するというのも戦略として考えられます。

日本人は限定という言葉に弱いですし、枚数が限られているとなると買わなければならないという心理が働きます。

また枚数を決めて生産すると質を高めたり販路を絞りやすくなるので、前の二つの戦略とマッチしています

CDを活用するために

いかがでしたでしょうか。今回はCDとの付き合い方についてお話ししました。

音楽サブスクやデジタル販売が主流になりつつある現在、CDの在り方をしっかり考えていく必要がありと思います。

無理にCDを売ろうと考えるのではなく、いかにファンの音楽体験を高め、ファンとの距離を縮めるためのツールとして活用するという考えがこれから大切になると思います。皆さんも今一度考えてみるといかがでしょうか。

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