効果的に防音対策してみませんか?
新型コロナも相まって、自宅で楽器の練習や演奏環境を整えたい人も増えたのではないでしょうか。
自宅で楽器を演奏するために、自分で防音対策を意気込んだものはいいものの、「ホームセンター等で防音材を買ってこようとしたけど、種類が多すぎてどれがいいかわからない!」というそんなあなたに、今回は防音の知識や防音材をご紹介します。
そもそも防音、吸音、遮音って?
ホームセンターに行くと様々な材質の防音材が売っていて、さらに吸音や遮音などいろいろ書いてあると思います。定員に聞こうにも聞き方がわからないという人のために、簡単にご紹介します。
防音って?
防音とは字のごとく音を防ぐことです。つまり防音というのは音を防ぐという目的を表していますし、防音材というのは音を防いでくれる材質全般のことを指しているのでものすごく広い範囲をカバーしているということですね。
吸音って?
そんな防音の手段の一つが吸音です。字のごとく音を吸って音を防ぐ仕組みのことで、吸音材は吸音によって音を防ぐ材質のことです。
吸音というと音を完全に吸ってくれると錯覚しますが、すべて吸収してくれるわけではなく、音の一部は反射し、一部は外にもれます。
因みに音を吸ったからと言って何かがたまるわけではありません。具体的な吸音材の仕組みを説明すると、吸音材の表面には小さな穴が無数に開いており、そこに音が入り込んだ際に空気摩擦により音エネルギーが熱エネルギーに変換されます(熱エネルギーといっても熱くなったりしないので大丈夫です)。
吸音材の性能は吸音率という数値で表されます。吸音率は0から1の間の数値で表され、例えば1ならば100%の音を吸音してくれるので音の反響が一切ない、0.75ならば75%は吸音してくれて残り25%は音が反響する、というものです(先ほども書いた通り、吸音した音エネルギーすべてが熱エネルギーに変換されるわけではないので、75%吸音するということは75%の音を消すということではありません)。
遮音って?
もう一つの手段が遮音です。字のごとく、音を遮って防ぐ仕組みのことで、遮音材は音の一部を跳ね返すことによって外に漏れる音を軽減します。遮音なんていうとまた完全に音を遮ってくれるのかというとそんなこともないのがミソですね。
音をどれだけ遮ってくれるかという性能は透過損失という数値で表されます。損失なんて用語だと損をしているように錯覚しちゃいますが、音が減っているということですから当然数値が高いほど音が漏れにくくなるということです。
遮音シートだけでは効果がない!?
ホームセンターで防音シート、または遮音シートを買ってきて壁にかけたけど思ったより効果がないどころか音が反響して余計うるさい…なんて経験ありませんか?実は遮音シートのみではほとんど防音効果は期待できないのです。
正確に言うと、シートなどの軽くて薄い防音材は透過損失が高くないということです。防音材は重くて分厚いほうが高性能なので、ペラペラの防音材は性能が良くないのです。音が反響している部分は遮音材が正しく働いている証拠ですが、反響がひどいと困りますよね。
そんな問題を解決するには、遮音材と吸音材を併用するという方法をとることです。併用することによって吸音材で音を減少させてから遮音することによって、防音効果が高まりなおかつ部屋の中の反響を抑えることができます。設置する順番としては、吸音材→遮音材(遮音シート)→壁の順です。
おすすめの防音材
最後にホームセンター等で手に入る防音材についてご紹介します。
吸音材でおすすめのもの
吸音材でおすすめの材質は以下の通りです。
- ロックウール…吸音性や断熱性は高いが、値段も高く湿気やすい
- ウレタンスポンジ…吸音性が高く扱いやすいが、値段はやや高め
- チップウレタン…ウレタンスポンジとほぼ同性能で若干安いが、見た目があまりよくない
- グラスウール…とても安いが扱いにくく、吸音性能もやや低め
遮音材でおすすめのもの
防音材でおすすめのものは以下の通りです。
- 遮音シート…ゴム製のシートで安価で扱いやすく遮音性も高いためおすすめ
- 石膏ボード…重量があるため遮音性が高く安価だが、産業廃棄物のため捨てる時にお金がかかる
ホームセンターで売られている防音シートは多くが遮音シートですが、中には遮音+吸音のものもあるので、費用が高めですが自分で加工が難しい場合は利用するのもいいと思います。
またカーペットや防音マットを敷いたり、厚手のカーテンを窓にかけることでも防音効果を高めることができるのでぜひ試してみてください。
DIYでも高い防音効果を!
いかがでしたでしょうか。今回は防音の知識や防音材についてご紹介しました。
防音シートのみを買ってきても効果がない!と言っている人もそこそこ見かけるなど、意外とやり方がわからない人が多い印象です。効果的な組み合わせできちんと防音材を設置すれば、比較的安価に高い防音効果を得ることができます。
DIY要素が高いので、苦手な人は得意な知人などに手伝ってもらうといいかもしれません。
ぜひ参考になれば幸いです。