クラウドファンディングを利用したいけど…
バンドマンやアーティスト、特にアマチュアやインディーズで活動を行うミュージシャンにとって資金調達に非常に有効なのがクラウドファンディングですよね。
そのためクラウドファンディングに興味があるミュージシャンは多いと思いますが、「やり方がよくわからない」「敷居が高そう」などの声をしばしば聴きます。
そこで今回はそんな悩めるミュージシャンに向けてクラウドファンディングの方法を簡単に説明します。
目次
クラウドファンディングの特性を理解しよう!
クラウドファンディングには6つのパターンがあり、それぞれの特性を理解していないとプロジェクトの内容にあわない方法を選択してしまう可能性があります。まずは6つのパターンとその特性を見ていきましょう。
購入型
購入型クラウドファンディングとは、プロジェクトの出資に対して商品やサービスなどのリターンを得ることのできるクラウドファンディングの形態です。 例えばライブツアーの資金調達プロジェクトで、1万円でグッズ、3万円で楽屋招待など、商品やサービスを購入する感覚で出資するのが購入型の特徴です。明確なリターンが設定されているので、支援者側が支援する(購入する)かどうかの判断は金額とそのリターン内容によって判断されます。
購入型クラウドファンディングは参入業者が多く、国内でも最大級のCAMPFIREやREADYFORなどといった知名度の高いプラットフォームも購入型です。様々なジャンルのプロジェクトで利用される形態のクラウドファンディングで、基本的にミュージシャンやバンドマンが利用するのもこの購入型となります。
リターンが商品やサービスといった関係上それぞれ上限数があり、また比較的少額からの出資を募るため手軽に資金調達を行えるもののあまり高額の資金調達は難しい傾向にあるといった特徴があります。
寄付型
寄付型クラウドファンディングはそのままの意味で寄付です。プロジェクトに対して物品的・金銭的なリターンが存在せず(プロジェクトによってはお礼の手紙や気持ち程度の品を配ることもあり)、基本的には見返りを求めない善意の寄付を募る形態です。
その性質上例えば災害などの被災地復興支援や、難病の子供の治療費支援など社会的貢献性が強いプロジェクトにおいて選択される形態となります。なんらかしらのチャリティーコンサートなどの例外を除いて、ミュージシャンは基本的につかうことはないクラウドファンディングです。
融資型
融資型クラウドファンディングは、プロジェクトに対して融資を募る形態です。融資のため出資者は金銭的なリターンを得ることができるのが特徴で、これもレーベルや会社を設立するといった特殊な状況以外にはミュージシャンがつかうことはないでしょう。
株式投資型
株式投資型クラウドファンディングは、株式会社の未公開株を提供することによって資金を得る形態です。これもミュージシャンは関係ないです。
ファンド型
ファンド型クラウドファンディングは、企業が発案したプロジェクトに対して個人投資家から出資を募る形態です。当然ミュージシャンは使いません。
ふるさと納税型
ふるさと納税型クラウドファンディングは、地方自治体がプロジェクトを発案し、その出資金をふるさと納税の仕組みで行う形態です。発案者は自治体なのでこれも無関係です。
クラウドファンディングには6つのパターンがありますが、アーティストが使うのは購入型がほとんどであるということだけ覚えておきましょう。
クラウドファンディングの流れ
それでは具体的にクラウドファンディングがどのような流れで行われるか見ていきましょう。
1.プロジェクトの計画
まず初めに実施するプロジェクトを企画します。プロジェクトの目的を明確にし、その目的を達成するためにいくらかかるか算出し目標金額を設定しましょう。
プロジェクトの内容は綿密に練ることをお勧めします。どういった目的でプロジェクトが行われ、目標金額に対する内訳、調達した資金がどのように使われるのかを明確にすることがより多くの支援を受けるための必須条件です。
2.プラットフォームの選択
プロジェクトの企画ができれば次にクラウドファンディングを実施するプラットフォームを選びます。おそらく購入型になるので、CAMPFIREやREADYFORまたはmuevoなどがおすすめですが、規模や手数料や支援体制などそれぞれ違いがあるので、しっかり比較してプロジェクトの内容にあったプラットフォームを選びましょう。
3.プロジェクトの登録・審査
プラットフォームを選んだら実際にそのサービスにプロジェクトを登録しましょう。サービスによってはレイアウトにある程度自由が利くので、支援者が見やすく分かりやすいページ作成を心がけてください。特にプロジェクトの目的、リターンの内容については支援するかの重要な判断材料です。
プロジェクトを登録すると即開始!というわけではなく、運営元によってプロジェクトが適切か、実現可能課などの審査を経て無事合格すると公開されます。審査に落ちてしまうと一からやり直しのため、現実的なプロジェクトの内容にすることが重要です。
4.プロジェクト開始
プロジェクトが無事開始されても安心するのはまだ早いです。多くの人にプロジェクトを知ってもらう努力をするのが成功のカギで、SNSやWEBサイトなどを活用しより多くの人に拡散しましょう。
5.プロジェクトの経過報告
プロジェクトの経過報告も重要です。支援者に対しての説明責任を果たすだけではなく、プロモーションの進捗をこまめに載せることによって、ゴールまでの距離を明確にでき新たな支援者につながります。
6.プロジェクトの終了
プロジェクトの期間が終了するとそこでクラウドファンディングは終了です。無事目標達成するとおめでとうございます、手数料を引いた金額が振り込まれることとなります。逆に目標達成できなかった場合は支援者に返金といった流れになります(all or nothing型)が、プラットフォームによっては目標未達でも支援者にリターンが届けることができるプロジェクトの場合集まった金額をもらうことのできる形態(all in型)があります。
成功しても失敗しても、しっかりと支援者に対する感謝の気持ちを最後に載せ、リターンの商品等を速やかに準備し提供しましょう。
プロジェクトを成功させるコツって?
クラウドファンディングの流れは大体わかっていただけたと思いますが、成功するために何かコツなどはあるのでしょうか?
ファンや他人から愛されること
プロジェクトの成功のために最も重要なことの一つとして、ファンや他人から愛されることが大切です。
なぜならいくら購入型といってもその商品やサービスが金額にあったものばかりではありません。それでなぜ成立するのかというと、その人(たち)を応援したい気持ちがあるからです。
そのためプロジェクトはその内容だけでなく発案者の人柄がにじみ出るものなので、ファンや他人から愛されるような人(たち)であることを心がけてください。
内容が分かりやすいこと
購入型において、出資者はリターンを考えて出資するかしないか、またはいくら出資するかを決めますが、大事なのはそのお金が何に使われるのか明確であることです。
同じ商品を買うのであっても、そのお金が何に使われるのかよくわからない場合より、使い道がしっかりわかる方がプラスの心理に働きひいき目に見てくれるので、しっかりと明記しましょう。
プロジェクトが斬新or魅力的であること
今や多くのクラウドファンディング事業者が存在し、数えきれないほどのプロジェクトが登録されています。そんなプロジェクトの大海原に飲まれてしまわないためにはファンをしっかり獲得しているかも大切ですが、SNSで話題を呼ぶことも重要です。そしてSNSでバズるためには、斬新なアイディアのプロジェクトか、出資者にとって魅力的なプロジェクトまたはその両方である必要があります。ありきたりなプロジェクトがダメというわけではありませんが、革新的なアイディアをもってプロジェクトを計画することも大切です。
プロジェクトの計画は慎重に
いかがでしたでしょうか。今回はクラウドファンディングの方法についてご紹介しました。
クラウドファンディングを有効活用すれば資金調達やマーケティングに大きなプラスをもたらす一方で、内容が稚拙であると批判されマイナスイメージにつながったり、失敗したプロジェクトも消えずに残るので安易にクラウドファンディングを使うとデメリットが生じてしまいます。
そのため利用する場合はプロジェクトを練りに練り、成功するための努力を惜しまないことが大切です。ぜひ参考になれば幸いです。